Abstract
某日夜、今入っている出張分を入れてもわずかに2019年度のANAダイヤモンド会員の基準に到達しないことが判明した。家族会議の結果、某日に羽田ー沖縄間を単純往復することにより不足分のプレミアムポイント(PP)を賄うこととしたので、その結果を報告する。また、ANA修行の課題と今後の展望について述べる。
Introduction
筆者は2018年度ANAダイヤモンド会員である。2017年度はプラチナ会員かつANAスーパーフライヤーズクラブ(以下、単にSFCという)であった。プラチナ会員とダイヤモンド会員では、優先搭乗、付与されるマイル、座席指定、ラウンジなどで優位な差異が認められる。
例えば、ダイヤモンド会員は事前改札サービスの次のGroup 1で搭乗できるのに対し、プラチナ・SFCではGroup 2での搭乗となる。羽田ー伊丹など多くの旅客が利用する便では、Group 1およびその同行者は20人を超えることが珍しくない。Group 2の列にはさらに数十人が並ぶことが多い。搭乗後、荷物を棚(Overhead compartment)に上げようとすると自座席直上は既に埋まっていることも頻繁に起こる。これはおよそ優先搭乗とは言い難い状況である。
また、ANAラウンジ(国内線)の差異は極めて甚大である。ANA国内線の搭乗前に、ダイヤモンド会員はANA SUITEラウンジ(羽田、伊丹、新千歳、沖縄など)、プラチナ会員・SFCはANAラウンジを利用することができる。SUITEラウンジではおにぎり・パン・味噌汁・スープが提供されるとともに、コンシェルジュが常駐しており、ラウンジにいながらにして払戻など種々の手続きや、旅程の追加・変更・キャンセルなどを相談することができる。利用者に対して座席数も多く、ラッシュアワー以外はかなりゆったりとくつろぎながら搭乗前の時間を過ごすことができる。一方ANAラウンジでは、酒類を含めたドリンクとおつまみの提供のみである。利用者数が多く、提供されるお酒でほろ酔いとなり少し大きな声で会話する者も散見され、ラッシュアワー以外であっても静粛とは言えないこともある。
座席の指定についてもダイヤモンド会員には大きな優先権が与えられている。特に足元の広い席については、運賃の高い航空券を持っている人と同等の優先権がある。プラチナ会員も一般会員のSuper Value系運賃の利用者に比して優先権が与えられてはいるものの、到着後速やかに降機できる普通席最前列などは当日にチェックインカウンターで要望しない限り指定できることは稀である。
以上のように、ダイヤモンド会員に提供されるサービスはその他の会員とは一線を画すものがある。筆者は航空機を利用した国内出張の機会が多く、また家族旅行時のANAラウンジ利用に一定の需要が見込まれることから、2015年にSFCの資格を得て、以後2017年まではプラチナ会員の基準を継続して達成している。2017年は11月時点で年内の仕事関係でのフライトのみによるダイヤモンド会員の基準(100,000 PP)到達が難しいことがわかり、沖縄への1泊2日弾丸旅行を挟むことで、12月中旬のフライトで何とかその基準を達成したという苦い経験がある。今年も前半は仕事でのフライトにより順調にPPを積み上げていたが、後半に航空機の利用を伴わない出張が頻発したため、PPが思うように貯まらない状態となっている。このままのペースで行くと年末時点で100,000 PPにわずか2,419 PP不足する見通しであり、極めて由々しき事態である。よって、昨年同様に沖縄への修行を実施することとした。
Criteria of ANA Diamond member
ANAダイヤモンド会員の基準は、上述のように1/1-12/31の間に100,000 PP到達することである。プレミアムポイントは空港間の距離および運賃に応じて付与される。 ANAのWebサイトに加え、ブログなど様々な媒体において多くの情報が得られるので詳細は割愛する。
Materials and methods
羽田-那覇の往復運賃としては、変更可能でなおかつ比較的運賃が安い株主優待運賃を選定した。株主優待券は番号だけを販売するWebサイトをGoogle検索によって調べ、購入した。那覇行きの搭乗便は、羽田空港到着時間が交通状況などの影響を受けることから、余裕を持った時間で選定し、1本前の便に乗れる時は空席待ちなどを行うこととした。帰りの便は乗った便の折り返しで計画した。運賃はマイルをANAコインに交換することで調達し、支出を最小限に抑えた。
Results and Discussion
筆者自宅から羽田空港までは高速バス等を利用した。1本前の便に搭乗できそうな時間に到着できたため、空席待ち手続きをした。空席待ちエントリーは確認した限り最後の8番目であったが、ダイヤモンド会員であるため種別Sとなり、結果的に最初に呼ばれ空席を得ることができた。このようにダイヤモンド会員のメリットは非常に大きく、可能な限り高い会員ランクを維持することは一定の意義があることがわかる。
搭乗した便は少し遅れて出発した。天気は快晴で綺麗な富士山を見られた。
この日は上空の気流が強く、到着時間も大きく遅れることとなった。当初、那覇到着後すぐに折り返すことを検討していたが、那覇到着時には更に一本前の羽田行きの便が遅延していた。降機したばかりで疲労感も強かったことに加え、搭乗予定の便で足元が広い前方席を確保できていたことから、ソーキそばを食べて待ち時間を過ごすこととし、再度の空席待ちはしないこととした。なお、本行為はストイックな修行僧にはあってはならないことであるが、待ち時間のソーキそばは旅の疲れを大いに癒してくれるものであった。帰りの便は比較的スムーズな運航で快適であった。
Closing thoughts
2019年度のダイヤモンド会員の資格を得ることを目的に、不足するPPを羽田-那覇単純往復にて獲得した。この結果、後日の出張により10万PPを達成して、無事ダイヤモンド会員の資格を得ることができた。一方で、12月最終週に予定外の出張が発生したため、結果として修行せずとも10万PP超は達成可能であった。ただし12月の運賃は高いうえに帰省などで搭乗率も高い傾向にあり、年末押し詰まってPPが不足することが確実となってからでは修行可否が予測できない。確実なダイヤモンド会員資格確保のためには、11月までに修行を完了し12月の資格確保を確定させることが望ましい。